最近はめっきり日が暮れるのが早くなってきました。8月も終わりとなりますと午後の7時は夕闇の世界です。そんな中で8月の職員会は開催されました。
今回の目玉は嘱託医の安食先生による講演です。
テーマは“医療安全管理”“院内感染”そして“看取り”
と、まるで日曜18:30番組のような3本立て。ただし、真面目なお話です。
病院などでは安全管理や院内感染については厳しい監査があり、研修が義務付けられているそうですが、今後は介護の業界も他人事ではなくなっていくだろうという予想の中、題材として取り上げられました。
医療機関同様、介護施設を取り巻くリスクも多用です。「施設内感染」「事故・過誤」「経営・組織」「利用者満足度」「個人情報管理」「災害」etc.
人々の意識は受身から参加に変わっており、皆、安心・安全・納得な介護を求めています。
何かあったときは責任者の糾弾で終わりではなく、原因を究明して対策を立てることが事故の発生を防ぐことに繋がり、また、しっかりと記録を残しておくことは自身を守ることにも繋がります。
重大な事故1件の背景には軽微な事故が30倍あり、さらに事故には至らないヒヤリ・ハットはさらにその10倍あると言われています。
人は必ず事故を起こす生き物です。組織全体で事故予防に取り組み、万が一事故が起きても被害は最小限に留めることが大切です。
さて、リスクの一つにあった施設内感染ですが、これは病原性の低い菌(弱毒菌)でも感染症(日和見感染症)を起こすことから引き起こされます。ましてや、感染しやすい方の大勢おられる密閉空間なので効果は絶大です。
そのため、引き起こさないことが重要なのですが、中でも日頃から気を付けられることが「手指消毒」、つまりは手洗いです。
「ベッドサイドケアの前」「車椅子移乗の際」「ご利用者の近くにあるものに触れたとき」「口腔ケアの後」「手袋を外した後」「清拭時」「カテーテル処置」「滅菌手袋をはめる際」
手洗いの際は指先・指の間・親指周囲の洗い残しに注意です。
そして、看取り。
人口は1970年以降65歳以上が増加、若年層が減少しています。
その中で健康感も変わってきているようです。
健康のための前提条件は「平和」「住居」「教育」「食物」「収入」「安定した生態系」「持続可能な生存のための資源」「社会的公正と公平性」なのですが、
「メタボリックシンドローム(メタボ)」「認知症」「ロコモティブシンドローム(ロコモ)」は健康寿命の短縮の3大要因と呼ばれています。
さらに介護が必要になる原因となると、脳卒中、認知症、フレイル(虚弱)、ロコモが上げられますが、しかし、特にフレイルなどは適切な介入で改善が期待できるとも言われています。
あと、この業界、かなり多いのですが、要介護予防には「禁煙!」だそうですよ?
それでも、いずれ、人は逝きます。
自分が最期をどのように過ごし、終末期の医療を以下に希望するか・しないかの意思表示“Living Will”を明確にするべきで、その前提には人生を如何に過ごすかという価値観が必要になります。ご利用者やそのご家族への確認を取りましょう。
先送りはトラブルの元となります。
「全ての入所者が穏やかに過ごせなくても、暖かく介護し、最期を看取れば、ご家族の多くは死後も末永く本心より感謝されています。」と締めくくられました。
受け止め方は人それぞれだとは思いますが、今回の講演は、無為に過ごしがちな日常に一石を投じたことになるのではないでしょうか。
講演のあとは、互助会の報告と、施設長の報告でした。
皆さん、車の運転には気をつけましょう。
やはりハイタッチは無かった8月の職員会でした。
「あけはま荘」次回更新は9月13日を予定しています。